カッティングシートとは
公開日:2024/12/23(更新日:2025/02/21)
カッティングシートとは、塩ビシート製のカラーフィルムです
カッティングシートとは、粘着剤付きの薄い塩化ビニール製フィルムで出来た、文字や模様を切り出して作るシールのことです。
メリハリのある色や形状を活かして、窓ガラスや看板、軒先テントや車体の装飾に用いられています。
カッティングシートの事例
カッティングシートは以下のように、様々な場面で活用されています。これらの事例はごく一部です。他の事例はカッティングシート製作事例のページからご確認いただけます。






カッティングシートの名称
カッティングシートは、中川ケミカル社の商標ですが、現在では一般的な名称として広く使われています。
また、「カッティングステッカー」や「マーキングフィルム」と呼ばれることもあり、
用途や業界によって名称が異なる場合があります。
例えば、看板や車両マーキングに使われる場合は「マーキングフィルム」、
個人向けのステッカー用途では「カッティングステッカー」と呼ばれることが多いです。
カッティングシートの構造
カッティングシートは3つの要素から構成されています。

①転写シート(アプリケーションシート、リタックシート)
転写シートには粘着力があり、カッティングシートのパーツがバラバラにならないようにひとまとめにする役割があります。
転写シートがあるおかげで、カッティングシートのパーツを一つずつ貼り付ける必要がなく、
一度の工程で貼り付けることができます。
なお、当店の転写シートは和紙製シートを標準的に用いています。
転写シートにはポリプロピレン製のシートもあり、お客様のご要望に応じて使い分けています。
転写シートの種類についての詳しい解説はリタックシート(転写シート)の種類についての記事をご参照ください。
②カッティングシート本体
デザイン部分です。塩化ビニル製のシートで下側の面に強い粘着力の糊が付いており、上側には糊は付いていません。カッティングシートは主に塩化ビニル(PVC)製で、耐候性や耐水性に優れています。紫外線や温度変化に強く、屋外でも長期間使用可能です。柔軟性があり、加工しやすいのが特徴です。
③台紙(剥離紙)
カッティングシート本体の糊付けを保護するためのシートです。ツルツルした素材でできており、
カッティングシート本体や転写シートからは剥がれやすい仕組みになっています。
カッティングシートの構造については貼り方・剥がし方のページでもご紹介しています。
カッティングシートの特長
カッティングシートは、単色のカラーフィルムを自由にカットして作成するため、コントラストがはっきりとした、視認性の高いデザインを実現できます。印刷ではなくフィルムそのものの色を活かすため、発色が鮮やかでムラがなく、美しい仕上がりになります。
切り文字やロゴ、装飾模様などを細かくカットできるため、企業のロゴやブランドサインの表現に最適です。また、遠くからでも認識しやすく、看板ロゴやウインドウサイン、車両マーキング、店舗の装飾などに幅広く活用されています。耐久性にも優れ、屋外使用でも色褪せしにくいため、長期間美しい状態を保つことができます。
②耐久性と耐候性
屋内外での使用に適しており、紫外線や湿気に強いです。
「とまとのカッティング屋さん」で用いているカッティングシートは
「3M™ スコッチカル™ フィルム Jシリーズ」ですが、
標準的な屋外使用で約5年の耐候性を有します。
③施工しやすい
シートの裏面には粘着層が均一に塗布されており、剥離紙をはがして直接貼るだけで接着できます。
また施工に必要な道具は、基本的にヘラ(スキージー)、カッター、定規など、
手軽に揃えられるものばかりです。
④剥がしやすい
カッティングシートは、剥がした後に粘着剤がほとんど残らない製品が主流です。
特に短期間の使用では、剥離作業が簡単です。また剥がす際にはヘラで簡単にこそぎ落とせます。
必要に応じてドライヤーやヒートガンで温めることで糊が柔らかくなり、さらにスムーズに剥がせます。窓ガラスや壁、車体など、下地を傷つけずにリニューアルや撤去が可能です。
詳しくは貼り方・剥がし方のページをご確認ください。
カッティングシートとステッカー印刷の違い
カッティングシートとステッカー印刷は、どちらもシール状の素材を使ったマーキング手法ですが、製作方法や仕上がり、用途が大きく異なります。
カッティングシートは、単色のフィルムをカットして文字やデザインを作成するため、色鮮やかでメリハリのある仕上がりが特徴です。印刷を施さないため、耐久性が高く、長期間色褪せしにくいのがメリットです。主に看板やガラス面の装飾、車両マーキングなどに使用され、屋外でも視認性の高いデザインを実現できます。
一方、ステッカー印刷は、インクジェットでフィルムに直接印刷する手法です。グラデーションや写真、細かいデザインなど、フルカラーの表現が可能な点が魅力です。
用途に応じて、シンプルで耐久性の高いカッティングシートを選ぶか、フルカラー表現ができるステッカー印刷を選ぶかを判断するとよいでしょう。


カッティングシートの貼り方(ドライ貼り、ウェット貼り)
カッティングシートの貼り方には「ドライ貼り」「ウェット貼り」という2つの方法があります。
それぞれの特徴や具体的な工程について、詳細ページで丁寧に説明しているので、
ぜひご参考になってください。
ドライ貼り
そのまま貼る手法で、短時間で済みます。主に小さいシートや平滑面に使用します。
詳しくはドライ貼りのページをご確認ください。
ウェット貼り
水と少量の洗剤を使い、貼る位置を微調整しながら作業します。
大きなシートや曲面に向いています。詳しくはウェット貼りのページをご確認ください。
カッティングシートの貼り付けに適した場所
適切な場所に貼ることで、その性能を最大限に引き出し、美しい仕上がりを実現できます。
カッティングシートの貼り付けに適した場所は以下の通りです。
(詳細な説明は別記事の「カッティングシートの貼り付けに適した場所」をご参照ください)
①スムーズな平滑面
窓ガラス、金属プレート、プラスチック板などの平滑な表面はシートの粘着力が均一に働き、
剥がれにくく美しい仕上がりになります。窓ガラスに貼るすりガラス調のシートや、
金属看板用の切り文字シートなどがよく使用されます。
②屋内の壁面(平滑仕上げ)
オフィスのパーティション、住宅の内壁クロスなどの仕上げや塗装された壁面は、
清潔で平滑な状態であれば適しています。企業ロゴや装飾デザイン、
サインとして利用されることが多いです。
③家具やインテリア
テーブルやキャビネットのリメイク、キッチン扉に貼ることで、
家具のリメイクやアクセントデザインとして活用できます。
④車両や乗り物
車のボディ、バスの広告ラッピングなど、自動車やバスの外装には、
耐候性・耐久性に優れたカッティングシートが適しています。
企業広告や装飾に活用されています。
⑤商業施設の装飾やサイン
ショーウィンドウには透明シートやカラフルな装飾シートがよく使われ、
特に季節のディスプレイに最適です。看板では耐久性が求められますが、
カッティングシートはこれを十分に満たします。
⑥プライバシー保護が必要な場所
すりガラス調や半透明のカッティングシートは、光を通しつつ視線を遮るため、
プライバシー確保と装飾性を両立できます。オフィスや病院のガラス間仕切り、
住宅の窓ガラスなどで使用されています。
⑦一時的なイベントや展示会
イベント会場の装飾、展示ブースの壁面など、
短期間使用して剥がす必要がある場合にも、カッティングシートは適しています。
剥がしたときに糊残りが少ないことも魅力です。
⑧工業製品や機械の装飾
家電製品のロゴや装飾、業務用機械のパネル表示用に、
精密なカッティングが可能なため、ロゴマークや文字入れに適しています。
⑨屋外の看板や標識
道路標識、広告看板、建設現場の注意喚起表示に、
耐候性のあるカッティングシートを使うことで、
紫外線や雨風にさらされても長期間美しさを保つことができます。
カッティングシートの貼り付けに適さない箇所
一方で、カッティングシートは不適切な場所に貼ると、
剥がれやすくなったり、美しい仕上がりを維持できないことがあります。
カッティングシートの貼り付けに適さない場所は以下の通りです。
(詳細な説明は別記事の「カッティングシートの貼り付けに適さない場所」をご参照ください)
①凹凸が多い表面
粗いコンクリート壁やザラザラした木材などに貼り付けると、
粘着面が凹凸に密着できず、剥がれやすくなる可能性があります。
また、凹凸部分に気泡が入り、仕上がりが不均一になることもあります。
②汚れや油分のある表面
油汚れのついた金属面、ホコリがたまった窓ガラスなど、
接着面に汚れや油分があると粘着力が弱まるため、剥がれやすくなります。
施工前にアルコールや専用クリーナーで清掃することが必要です。
③湿気の多い場所
シャワールームや結露の生じる窓など、高湿度の環境では粘着力が低下したり、
シートが波打つことがあります。また、貼り付け時に表面が濡れていると接着が不十分になります。
④高温や低温になる場所
屋外で直射日光が当たる金属面、冷凍庫の内壁などの極端な温度環境では、
粘着剤の性能が損なわれ、シートが縮んだり剥がれる可能性があります。
通常のカッティングシートは0℃〜40℃程度の環境での使用が推奨されます。
特殊用途向けの製品を選ぶ必要がある場合もあります。
⑤柔軟性のない曲面や急なカーブ
極端に湾曲した車両のパネル、小さな半球状の表面などでは、
シートの柔軟性に限界があるため、
複雑な曲面に貼り付けるとシワや浮きが発生する場合があります。
専用の柔軟性が高いシートを選ぶか、ヒートガンで温めて施工する技術が必要です。
⑥特定の塗装面
剥離しやすい古い塗装面、弱粘着性のコーティングがされた面に貼り付けると、
シートを剥がす際に塗装が一緒に剥がれてしまったり、
そもそも接着力が弱まることがあります。事前に貼り付けテストを行うことが推奨されます。
⑦可動する部位や振動の多い場所
窓サッシの可動部分、振動の激しい機械の部位など、
貼り付け後に動いたり振動する箇所では、シートがすぐに剥がれてしまうことがあります。
カッティングシートをDIYするには
カッティングシートは、専門業者に依頼しなくても、自分で手軽に作成できます。ダイソーなどの100円ショップでは、小さめのカッティングシートが販売されており、簡単なDIYに最適です。また、オンラインの切り売りサイトを利用すれば、大きなサイズや豊富なカラーバリエーションのシートを購入できます。
作成には、カッティングシート、カッターナイフ、カッティングマット、マスキングテープが必要です。まず、デザインを印刷した紙をシートに重ね、カッターナイフで慎重に切り抜きます。曲線や細かい部分はデザインナイフを使うと綺麗に仕上がります。不要な部分を取り除いたら、マスキングテープを貼り、貼り付けたい場所にしっかり圧着させます。
DIYなら、オリジナルのステッカーやサインを自由に作成でき、コストも抑えられるため、初心者でも気軽にチャレンジできます。
まとめ
カッティングシートは、塩ビシート製の単色カラーフィルムとして、
視認性や耐候性に優れ、さまざまな用途で利用されています。
ロゴや文字の形状に切り出し、平滑な面に簡単に貼り付けられることから、
看板や窓ガラス、車両の装飾など幅広い場面で活用されています。
また、「カッティングシート」の名称は商標から一般化したものであり、
その構造は転写シート、カッティングシート本体、剥離紙の3層で成り立っています。
施工のしやすさや剥がしやすさも特長であり、
短期間のイベント装飾から長期的な屋外利用まで、用途に応じた選択が可能です。
ただし、適した施工場所や表面状態を選ぶことが、品質と仕上がりを最大化する鍵となります。
カッティングシートは、デザインの自由度と機能性を兼ね備えた多用途な素材として、
業界や個人のニーズに応え続けています。