カッティングシートの色はどこまで指定できる?DIC・CMYK・企業カラーを再現する方法
公開日:2026/09/28(更新日:2026/10/09)
目次
はじめに:カッティングシートの色はどこまで指定できる?
こんにちは!
「とまとのカッティング屋さん」です!
当店では、法人のお客様を中心に、
「企業カラーをカッティングシートで再現できますか?」
「DICカラー、PANTONEカラー、CMYKカラーを指定して出力は可能ですか?」
というお問い合わせをよくいただきます。
今回はこの「カッティングシートで厳密な色指定が可能なのか」というテーマについて
お答えしようと思います。
結論としては
DICカラー、PANTONEカラーをはじめとする特色やCMYKでの色指定は可能ですが、製作方法によって色の合わせ方が異なります!
色指定の方法は大きく分けて
- 既製色のカッティングシートから近い色を選ぶ方法
- 塩ビシートへインクジェット印刷して色を再現する方法
があります。最初に注意しておきたいのが
「DIC番号やPANTONEカラーコードを伝えれば必ず完全一致する」とは限らない! ということです。
以降の段落では色指定の具体的な方法についてご案内します。
一般的なカッティングシートは「既製色」から選ぶ
カッティングシートは最初から色が付いたフィルム
通常のカッティングシートは、メーカーがあらかじめ色を付けて製造したフィルムです。
インクジェットプリンターで注文ごとに色を印刷するものではなく、
メーカーが用意したカラーラインナップから選択します。
そのため、選べる色はメーカーのラインナップ内に限定されます。
一方で、ピッタリイメージに合う色が見つかれば、色ムラなく安定した品質で製作が可能です。
メーカーごとに色数・色味が異なる
カッティングシートは、例えば同じ「赤」でも、
明るい赤・濃い赤・朱色寄りなど様々な色があります。
企業カラーに近い色が既製色として存在すれば、
既製カッティングシートで十分対応可能です。
また、メーカー・シリーズによって色味が異なります。
同じ「レッド」という色名だとしても、色の配合はメーカーごとに異なる可能性がありますし、
耐候性・用途によって選べるシリーズが変わる場合もございます。

なお、当店では「中川ケミカル」「3M」をはじめ、主要なカッティングシートメーカーのシート取り寄せが可能です。取り寄せ可能なシートの一覧はこちらをご確認ください。
DIC・PANTONE指定その他特色指定はできる?
DIC番号・PANTONEカラーコードそのもののカッティングシートが存在するわけではない
よく「DIC番号・PANTONEカラーコードと同じ色のシートで出力してください」
とご相談を受けることがありますが、
カッティングシートにはDIC・PANTONE番号と完全に同一の色味のシートが
ラインナップされているわけではありません。
DICカラーガイドやPANTONEカラーチャートは、印刷・デザインなどの現場で色を指定・共有するために使われる色見本帳です。DIC番号と、各カッティングシートメーカーが設定しているカラー番号は別の体系です。
既製色から「近似色」を選ぶ方法
DIC・PANTONE指定があり、なおかつ既製シートから選択する必要がある場合は、
DIC番号・PANTONEカラーコードや現物サンプルを参考に、近いカッティングシート色を探すことになります。
ただし、あくまで「近似」であり、完全一致を保証するものではございません。
特に色差にシビアなCI・ブランド案件では注意が必要です。
CMYK値を指定すればその色になりますか?
結論として、CMYK値をご指定いただくことは可能ですが、
同じCMYK値を指定したからといって、
あらゆる印刷環境で完全に同じ色になるわけではありません。
CMYKは印刷用の色指定値です。通常のカッティングシートではCMYK値の概念は存在せず、
各メーカーが設けている「色番号」から選ぶことになります。
ですが、中には印刷物と極力色味を合わせたいというニーズから
CMYK値をお伝えいただくお客様もいらっしゃいます。
CMYK値を活かしたい場合は、インクジェット印刷による製作方法も考えられます。
企業カラーを再現したい場合はどうする?
まずは既製色に近い色があるか確認
コスト・耐候性・仕上がりの面では既製カッティングシートが有利なケースがあります。
ロゴカラーに十分近い既製色があれば、それを採用する方法が最もシンプルではあります。
ただし、ご注文時の在庫状況によっては印刷よりも却ってコストが高くつくこともございます。
参考:3Mカッティングシート 不透過色 DIC・PANTONE 近似色一覧
近い色がない場合は印刷で対応
近似色のシートが見つからない場合は、白塩ビシートへ企業カラーを印刷し、
その後、ロゴ形状に輪郭カットします。
出来上がったシートは通常の単色カッティングシートと同様の施工方法で貼り付け可能です。
DIC・CMYK・指定色を参考にした色調整が可能で、
グラデーションや複数色の組み合わせにも対応可能です。
「DIC・PANTONE・CMYK指定=完全一致」ではない
そもそもの話になってしまうのですが、
DIC・PANTONE・CMYKで色指定をしていただいたとしても、完全に色味を合わせることは難しいです。
まず、パソコンやスマートフォンのモニターに表示される色と、
実際のカッティングシートや印刷物の色は、同じ条件で見えているわけではありません。
モニターはRGBによる発光色ですが、シートや印刷物は周囲の光を反射した色を見ています。
そのため、WEB上の色見本だけで厳密な色判断を行うことはおすすめできません。
またDIC番号・PANTONEカラーコード自体にも課題があります。
DICやPANTONEの特色とCMYK印刷では再現できる色域が異なるので、
DICやPANTONEからCMYKに変換した時点で色味が変わる可能性があります。
加えて、印刷時のインク・メディア・プリンターによっても色は変わります。
その他、光源や屋外・屋内でも見え方が違うため
数値指定だけで「完全同色」を保証するのは難しいのが実情です。
ある程度の色味の差異を盛り込んだ上で関係者からの承認をとり、ご発注いただくのが安全です。
企業ロゴなど色管理が重要な案件では、WEB上の色見本だけで判断せず、
必要に応じて実物の色見本や試し出力を確認したうえで最終決定することをおすすめします。
既存の印刷物と同じ色にしたい場合
名刺、パンフレット、看板、商品パッケージ、既存ステッカーなどの
現物を基準に色を指定する場合は、
CMYK値だけより、現物サンプルがある方が判断しやすい場合があります。
ただし素材表面・光沢・印刷方式が違うため、
見え方は完全には一致しないのでご了承ください。
特に色合わせが難しい色
- 蛍光色
- メタリック
- 金・銀
- 非常に鮮やかな赤
- オレンジ
- 深い紺
- パステル系
- 特殊特色
通常のCMYK印刷では再現が難しい代表例として、
蛍光色や金・銀・メタリックなどがあります。
これらは単純な色味だけでなく、
蛍光感や金属光沢そのものを通常のCMYKインクでは再現できません。
また、非常に鮮やかな赤やオレンジなど、
プリンターの再現可能な色域を超える色についても、
指定色との差が生じる場合があります。
一方で、蛍光色・メタリック・金・銀などは既製シートのラインナップで対応できる場合があります。
(リンク先の「中川ケミカル その他シリーズ」など)
「印刷の方が必ず自由度が高い」とは限りません。
まずはラインナップをチェックしてみてください。
色指定方法別のおすすめ
「だいたい赤・青・黒でよい」
既製カッティングシートで対応OK。
「企業カラーに近い色で作りたい」
既製カッティングシートから近似色を選定、またはCMYK値で印刷。
「DIC・PANTONEやCMYK値を基準にしたい」
印刷+輪郭カットを検討します。
「グラデーション・写真・多色ロゴ」
インクジェット印刷が適しています。
「金・銀・メタリックの質感や蛍光色が欲しい」
印刷ではなく既製特殊シートが適する場合があります。
色指定で入稿するときに伝えてほしい情報
色指定をする際には、トラブルを未然に防ぐため、以下の点をお伝えください。
- 希望する色のDIC番号・PANTONEカラーコード
- CMYK値
- RGB値しかない場合はその値
- 企業のブランドガイドライン
- ロゴデータ
- 既存印刷物や現物サンプル
- 使用場所(屋内/屋外)
- 希望耐候年数
- 光沢/マットの希望(印刷で対応する場合)
- どの程度厳密な色合わせが必要か
- 近似色で問題ないか
- ブランドガイドライン等で許容範囲が定められているか
最後に:企業カラーで迷ったら、色番号と用途を伝えてご相談ください
DIC・PANTONE・CMYK・RGBなど分かる情報をお送りいただけましたら、
用途や耐候性を含めて適した製作方法を判断いたします。
「カッティングシートで近似色を使うか」「印刷で再現するか」
コストと品質のバランスをみてご提案させていただきます。
カッティングシートの色指定にこだわりたいお客様は、
「とまとのカッティング屋さん」にご相談ください!