カッティングシートは海水に濡れても大丈夫?
公開日:2024/12/26(更新日:2024/12/26)カッティングシートは、船体や釣り道具などへの装飾としても人気があります。
しかし、「カッティングシートは海水に濡れても大丈夫なのか?」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、この疑問に対する答えを導き出します。
カッティングシートの主な素材:PVC(ポリ塩化ビニル)
カッティングシートは一般的にPVC(ポリ塩化ビニル)という素材で作られています。
このPVCは耐水性が高く、塩水に対しても非常に強い性質を持っています。
科学的な研究によれば、PVCは飽和塩水(塩分濃度26%)のような高濃度の塩水にもほとんど影響を受けないことが知られています。
そのため、カッティングシートそのものが海水程度の塩水によって急激に劣化する可能性は低いと考えられます。
とはいえ、海水環境での使用では単純に塩水の影響だけでなく、他の要因も考慮する必要があります。
以下では、海水環境での使用時に注意すべき点を具体的に見ていきます。
海水環境がもたらす影響
1. 塩分の結晶化
海水が付着した後、蒸発によって塩分が結晶化することがあります。
この塩分がシート表面に残ると、見た目が曇ったり、水滴跡が目立つ原因になります。
これ自体がシートの寿命を短くするわけではありませんが、
美観を損ねる可能性があるため、気になる場合は真水で洗い流すメンテナンスが必要です。
2. 紫外線の影響
海は紫外線が非常に強い環境です。PVCは紫外線にさらされ続けると劣化が進み、
チョーキング(表面が粉状になる現象)やひび割れを起こすことがあります。
特に、海上では紫外線の反射が増加するため、通常の屋外使用よりも早く劣化する可能性があります。
紫外線対策が施された高耐候性シートを選ぶことで、これをある程度防ぐことができます。
3. 波や異物による損傷
海上では波の影響でカッティングシートが直接力を受けることがあります。
また、波に含まれる砂や小石などの異物がシート表面を擦り、傷つける原因になることも考えられます。
このような物理的損傷は素材の耐性にかかわらず発生する可能性があるため、
特に船体に貼り付ける場合は注意が必要です。
4. 接着剤の劣化
カッティングシートの接着剤は、長期間海水にさらされることで粘着力が低下する場合があります。
接着剤自体が水分や塩分に強い仕様であっても、塩分の浸透や繰り返しの濡れ乾きが続くと徐々に劣化が進むことがあります。
実際の使用体験に基づく考察
当店の実体験では、海水環境でカッティングシートを使用する場合、通常の屋外環境に比べて劣化が早い印象を受けます。
ただし、数ヶ月以内に急激に劣化してしまうということはほとんどありません。
短期的な使用であれば、問題なく使用できるケースが多いです。
とはいえ、海という過酷な環境下では、カッティングシートの寿命が短くなる可能性が高いと考えた方が無難です。
(当店が取り扱う標準シートの通常の屋外における耐候性は約5年)
特に長期間使用する場合は、高耐候性シートを選ぶことをおすすめします。
高耐候性シートは別途取り寄せになりますが、当店でもご用意可能です。
お気軽にご相談ください
当店「とまとのカッティング屋さん」では、50年以上の看板製作の実績を活かし、
お客様のご利用シーンに最適なカッティングシートをご提案しています。
海での使用以外にも、「こんな使用方法は大丈夫か?」といったご質問があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
耐候性や素材の選び方について、経験に基づいたアドバイスをさせていただきます。
ぜひ、長く安心してお使いいただけるカッティングシートを見つけるためのお手伝いをさせてください!